伝統的に女子学生が多い薬学部女性に人気のある薬剤師

■学生の半数以上を女性が占める薬学部

昔は理学系学部を選択する女性は少なかったと言えます。

そのような中でも、なぜか薬学部だけは、伝統的に進学する女性が多くいました。

他学部に比べて薬学部に女子学生が多かった大きな要因としては、薬剤師という職業が、日本において戦前から、女性が進出可能な職域であったことが挙げられます。

薬学部は、戦後間もない頃は、医科大学や薬学専門学校として存在することがほとんどでしたが、1970年頃からは、一般の大学に薬学部として設置されるようになりました。

かつては薬学の課程も修めながら、教職課程も修めることができたので、理科の中学校教員、高等学校教員に進路を置くことのできたことも、女性の進出を促す結果になっていたようでした。

しかし、現在では薬学部の課程を修めながら、教職課程も修めるのは、カリキュラムの編成から、ほとんど不可能と言え、『平成21年3月薬科大学卒業生就職動向調査』(一般社団法人薬学教育協議会)の集計結果においても、「中学・高校の教職」を卒業後の実際の進路に選んだ生徒は、男女ともに皆無となりました。

文部科学省の学校基本調査(06年度)によると、大学の学生数における女子の比率は、全学部合計の学生数の40%あるのに対し、理学部系だけでこれをみると、女子の比率は27%と、すごく低いことが分かります。

農学部で女子の比率を見ると39%、工学部は9%、理工学部は12%、多い医学部でも半数以下の47%にとどまるのに対し、薬学部は何と55%と、半数以上を女性が占めています。

薬学部における男女比率は、個々の大学で調べてみても、大体どこの大学でも、半数以上は女性であると言えます。

昔から今日にいたるまで、薬学部を目指す女性は多いと言えます。

■結婚後も、待遇のいい職場が得られることから、女性に人気!

卒業後の進路先を、『平成21年3月薬科大学卒業生就職動向調査』で回答のあった卒業生男子4,598人、同女子6,095人(全10,693人)について見てみると、
男性と比較して、女性の場合は、薬局、病院診療所が多くなっています。

調査に応じた人数女性6,095人、男性4,598人の中での比率で表を見ると、お分かりになられるのではないかと思っています。

平成21年度薬学部卒業生の進路 女性
6,095人中(人)
男性
4,598人中(人)
薬局 2,259 1,231
医薬品販売業 315 261
病院診療所薬局 1,294 518
病院検査・試験研究機関 19 7
大学 17 3
衛生行政 96 72
製薬会社 453 433
毒物・化学工業会社 9 5
他業種 65 35
病院診療所研究生 138 44
進学 1,055 1,623
就職せず・未定 274 277
その他 101 89

『平成21年3月薬科大学卒業生・大学院修了者就職動向調査』
(一般社団法人薬学教育協議会)第2表より

女性薬剤師

女性の場合に、薬局、病院診療所が多い理由には、

薬剤師にとっての病院勤めは、時間―時間までの勤務が許され、子育てしながら働くのには、都合がいいこと。

また、ドラッグストアなどで働く場合を考えても、薬剤師の免許を持っていることで、他の店員には比べものにならないくらい、待遇がいいことにあります。

研究者を目指すような一部の女性を除けば、女性が普通に結婚し、子供を育てながら、夫の家計を支えていきたいと考えた場合、薬剤師の仕事は、他の仕事に比べて、時間・給料ともに待遇がよくて、働きやすい職場を得られることになると言えます。 薬剤師の資格は、免許の更新制度もないので、1度取得すれば資格はずっと生き続けます。

仮に出産や夫の転勤などの理由により、1度職場を離れてしまったところで、看護師のように実践的なハードな仕事内容ではないので、職場復帰も可能です。

そうした理由から、現在でも薬剤師は、女性に人気の職業と言え、当然薬学部を目指す女性も多くなります。

逆に男子学生の場合は、女子学生に比べて、比率的に製薬会社に就職する人たちが多いことが、一覧から分かります。

また、薬学部卒業生の男子学生で、大学院に進学する人たちが多いことも特徴と言えます。

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